繊維入りのマスカラ、ホットビューラー使える?

【ご質問】


この間、繊維入りのマスカラを買ってきました。
今までは繊維の入っていないマスカラを塗って、その後でホットビューラーを使っていましたが、繊維入りのでもそのやり方をしていいのか悩んでいます。

このまま使っちゃって大丈夫でしょうか?

 

【回答】


いきなり正解を言います。
絶対使えないわけではありませんが、「使えるように作られている」と確認できないものに関しては、使わないでください(>_<)
理由はあとで書きます。

この頃のマスカラって、結構な割合で繊維が入っていますよね。
まつ毛に線上の繊維が絡みつくことで、まつ毛を長く、密に見せるマスカラです。
私ももれなく使っています。乾かないうちに重ね塗りをするのがポイントなんですよね。乾いちゃうと絡みついた繊維がすでに固まっているので、二度塗りできない状態になっているので…。

と、横道にそれましたが(汗)
ところでマスカラに入っている「繊維」って何でできているのでしょう?
まさかブラシに使う豚や馬やイタチの毛、とは思いませんが、何でできているものなのか、不思議ですよね。

商品によりますが、ナイロン、レーヨンなどの化学繊維の細くて細かいものが入っています。
よく見かける「フィルムタイプ」というものは、アクリルが入っていたりします。これも化学繊維です。

家庭科の問題になっちゃうと思いますが、化学繊維を高熱で温めると、多くの場合どうなるでしょう?
答えは…そう、溶けてヘロヘロになり、やがてくっついて固く固まってしまいます!

2015年の春ごろ、タレントの安倍なつみさんが眼帯をつけて活動していたことがありました。
その原因がホットビューラーによるやけどであるとのことです。
ビューラーのサイトを読んでも、その温度が何度くらいになるのか書いていないところが多いんですよね。
一番の売れ線のパナソニック製「まつげくるん」のサイトにも、載っていないみたい…?

原理としては、髪の毛に使うヘアアイロンと同じことをやっています。
毛(髪もまつ毛も)は、タンパク質が結合してできているもので、熱を加えてやるとその結合が離れたり、またくっついたりします。
結合を解いて別の結合をさせてやると、毛の形状が変わります。
それを熱で行っているのが、ホットビューラーやヘアアイロンです。

ヘアアイロンで髪の毛の形状を変えるためには、180度ほどの高温をかけなくてはならないとのこと!
(一説によると、そんなに熱を加えると髪がやけど状態で傷んでしまうので、もっと低い温度でゆっくりとかけるべき、とおっしゃっている専門家もいます)
そして、その熱が冷めていくことによって、髪の毛に癖がつくのだそう。

ホットビューラーは目の際、粘膜の近くで使うものなので、ヘアアイロンほどの高熱にならないようにできているはずです。
それにしても、お化粧慣れをしているはずの安倍なつみさんですらやけどをしてしまう位の熱はかかっています。

私もよく「あちち!」ってなります(汗)

さて、化学繊維は何度くらいで溶けるでしょう。
ナイロンは180度、レーヨンは熱に強くほとんど溶けることが無し、アクリルは160度とちょっと低めです。
お洋服も化学繊維の時は、綿よりも低めの温度設定でアイロンをかけると思います。

なので、場合によっては繊維が解け気味になって、せっかく塗ったマスカラがダマダマになる可能性があります。

本当?ということで、私が実践してみました!
私が使っているマスカラに入っている繊維は、アクリルとナイロンが入っているようです。
両方とも強めに加熱すると溶ける性質を持っています。
まずは塗ります。私のまばらで短いまつ毛でも、ちゃんとあることが主張できる優秀なマスカラです。
そして、私の使い古したナショナル製の(ナショナルって…もうずいぶん前に消えたブランドです…まだ動くから使っているけど、そろそろ買い替えなくちゃ…)ホットビューラーをかけてみます。

…すると、やっぱりダマダマになってしまいました…。
いろいろな条件があって、私の実験ではたまたまこうなった可能性もありますが、少なくともこの1種類しか温度設定を選ぶことができないホットビューラーではダメでした。

ただ、ホットビューラーの熱線をカバーしている部分は、コーム状になっているので、だまになってしまったところをすっすっと縦にかけると、ダマが溶けてきれいになることもあります。

近頃のホットビューラーは進化していて、二段階温度調節ができるものがあったりします。温度を低めにしてゆっくりとまつ毛を温めるのならば「絶対ダメ、無理!」ということはありません。
ホットビューラーを作っている家電メーカーも、近頃のマスカラの性質は調べに調べ上げていることと思います。マスカラが付いたまつ毛にビューラーをかけたときに、例えば毛が露骨に痛むとか、どうしてもダマダマになるとか、そういうことがないように必死に研究されています。

なので、ホットビューラーをお買いの時に「繊維入りのマスカラOK」と記述されているか、インターネットでの使った人の声などを参照されるといいかなと思います。

ちなみに、安心なホットビューラーの使い方はといいますと
1)マスカラ下地を塗る
2)ホットビューラーを使ってまつ毛にカールをつける。やけどに注意!
3)少し冷ましてカールがしっかりついたら、マスカラを塗る
4)トップコートを塗ると、カールの持ちが良くなります!

本当に近頃のホットビューラーは進化していますし、私の古いホットビューラーでも「指で触ってもOK」なくらいの温度で「そろそろ使用可能ですよ」のお知らせが出ると思いますが、指の皮膚よりもずっとまぶたの粘膜のほうが弱くできています。
くれぐれも気を付けながら使ってください。

ちなみに、フィルムタイプで「お湯で落ちるマスカラ」というのも売っています。
とても便利なものですが、水ではなく「お湯」といっているからには、顔を洗うときにお湯で洗顔したくらいの温度で落ちるということになります。
暖かいなと思うくらいのお湯は、体温よりもちょっと上。38~40度くらいでしょうか。42度が多分お風呂に入るときなどの限界の熱さではないでしょうか。
それくらいの温度でするっと落ちるようになっていますので、いくら繊維入りマスカラOKのものでも、ホットビューラーのかけ方が上手でないとマスカラが落ちてしまう可能性もなくはないと思います。

お出かけ前の大忙しの時につけたマスカラがダマになったり落ちてしまったりしては「キーッ」ってなっちゃいますよね。
ご自身がお持ちの(もしくはこれから買う)ホットビューラーやマスカラの性質を理解して、正しくきれいなまつ毛を作れるようにしたいものです。

最後に、髪もそうですが、まつ毛も毎日毎日熱をかけられていては、痛むのは当然です。
もし続けるにしても、時々休ませて、まつ毛美容液を毎日つけるなどで傷んだまつ毛をケアしてあげてください。
当院で扱っている「まつ毛増毛剤」はアメリカでは医薬品として扱われている、まつ毛を長く濃くするお薬です。医師の処方が必要ですが、もしもまつ毛を傷めないで長く見えるようにしたいな、とお思いでしたら、是非該当ページを読んでみてください☆

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